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ルートは、眼前の急登~曲尾根
「野鳥の森」の南端ピーク、五丁坂頭山へは何度か登ったが、掲示板によれば、931、817を経由するセトノ沢の東尾根からも登れる、とのこと。以前、気田川から登った左隣の尾根になる。
少々持て余し気味の体重と時間を使いに、シルバーウィークに出かけてみた。

野鳥の森の観察小屋に車を停め、その南の林道に入る。林道はやや荒れており、重機でもひっくり返りそうなところがある。登山道と平行に進んだ後、1290m等高線に沿うように、五丁坂頭山南の1313ピークを北から巻いていく。
下山道は、1313周回林道終点手前、カーブを過ぎたすぐ向こうにある。植林にたくさんの紐が巻かれており、その真ん中あたりに朽ちた木段。最終的には、山住峠を下りきった、門桁ダムのやや北に出る、とのこと。

結果を書いてしまうと、下までたどり着けなかった。
掲示板情報のころ(2006年)には「しっかりした道」だったところが、すっかり藪になっている。


以下の空中写真(航空写真)と地図は、すべて国土地理院による。表示はカシミール3D
整理しなおしてあるので、実際に歩いたルートとは順番が異なる部分がある。ルート記録のGPSロガーは旅レコを使用。


ルート全体図(2004-写真)

ルート全体の地図(新版地理院地図)

ルート上部拡大(2004-写真)

ルート上部拡大(1974-1978写真)

林道から山道が伸びる
掲示板情報からは、下山道口がよく判らなかったので、まずはそれを探す。

以前、気田川から登ったとき、九十九に登る途中で山道を見つけていた。そこからあたってみる。
1313を周回する林道から新設林道に下り、行って戻ってを3回繰り返す。4回目は距離があってから逆に折り返す。5回目の行って戻ったところの1190m付近から山道がある。ルート全体写真の、新設林「道」のあたり。道は細いが、人が普通に歩ける程度。

ちなみに林道は、さらにもう一回行き戻りをすると、あとは果てまで急カーブなく一気に下る。


大崩を東から見る
さほどアップダウンなく進むが、まもなく谷筋の大崩に出会う。山中ではスケール感がかなり狂うが、差し渡し10mは下らない規模と見える。
千切れたワイヤーなどが垂れており、かつては吊橋か何かが架かっていたのかもしれない。

このあたりの地盤は、比較的しっかりした土だが、濡れており、落ち葉や砂礫が乗って少々滑りやすい。足場が作れずに難儀する。
とりあえず写真だけでもと無理をしたら、引き返すに引き返せなくなってしまった。木の上で鳴いている子猫の心境が理解できた。


1313周回林道行止り・下山道付近
大崩の位置の見当を付けながら、新設林道を戻ることにする。結局、1313周回林道まで上がってしまった。地形図を見ると、尾根はこのピークにつながっているように見える。
周辺をうろついていると、林道終端手前のカーブを過ぎたあたり、植林にリボンがたくさん巻いてあるそこに、下山道があった。

写真、奥のオオバアサガラが林道終点。左のオオバアサガラ根元が下山口。右端のスギとオオバアサガラとの間にも、木段の痕跡がある(後述)。


大崩の頂
道ははっきりしており、リボンも多い。下り始めてすぐ、東が明るいことに気づく。確認しにいくと、そこが大崩の頂だった。

木々を巻き込んでゴッソリいっている。


大崩を西から
どんどん下山する。
道は比較的良いが、急な割りに直降が多い。雨後にはスパイクを履きたいぐらい。地図上では傾斜は30°強だが、場所によっては45°ぐらいありそう。

しばらくすると、山道の四辻に出会う。1210m付近。
標高の感覚からしてもしや、と探りにいったら、大崩の対岸だった。
向こうにヒメシャラが見える。あのあたりがこの道のつながっていた先。

西方向も見に行ったが、こちらも小ぶりな崩落があり、なんとなくそのへんで道が消えているようだった。
四辻から少し下った東には、大きな岩がある。ルート写真にも、白っぽく写っている。


廃材の山を振り返る
本線に戻ってひたすら下る。火の用心看板や、コンクリ杭があるぐらいで、ずっとつまらない植林の中。
道はほぼずっとあり、薄くなったり、二重尾根になったりはあるものの、間違えそうなところはない。
標高980m付近にも、横切る道がある。

931m付近で、トタン小屋の廃材の山がある。2006年にはまだ小屋であったらしい。
このあたりになると、坂の厳しさはなくなってくる。


建物の痕跡
植林帯は、870mあたりまで。この先は雑木林。森は深めだが低木も混じる。クモの巣がうざったい。
坂も緩く、地面もふかふか。イグチ類、ホウキタケ類、テングタケ類などが見られる。ベニナギナタタケが非常に多い。全部採れば、kgスケールになりそう。

さらに進むと、尾根がかなり広くなる。
あちこちブラつくと、小屋の痕跡を見つけた。廃材も何もないが、柱の跡と水桶がひとつ。そこに鶴が1本放り込んであった。
標高810m付近。GPSログの、下方で広がっているあたり。


なんとなく進みたくない茂み

いちおう道はある
先を見ると、明るい。が、低木が茂っている。

気後れしつつも進むと、いちおう道はあった。アセビ、ソヨゴ、ミヤマシキミなどの混生。クモの巣を払いつつ、千と千尋じゃないんだし……と進むと、やがてリボンも道もなくなってしまった。

藪!
空は開け、灰縄山あたりが見える。
掲示板にある伐採地が、おそらくここ。2006年には、県道からこのあたりまでは「しっかりした道」だったらしい。

藪に戦意喪失、引き返す。標高800m。県道までは、残り1kmほど。




最も最近の空中写真
カシミールを最新版にバージョンアップすると、「空中写真」の選択肢が増えていた。簡易とはあるものの、今世紀の撮影分もある。

冒頭の空中写真(1974-1978)を見ると、新設林道はもちろん、1313林道もスーパー林道も、何もない。
林道を歩いたログを付き合わせると、現在の道の生い立ち、かつての山道との相関がわかる。

上で書いたとおり、1313周回林道からの下山道とその反対側には、朽ちた木段があった。空中写真を見ると、そこから1313ピークを通り五丁坂頭山へ向かう道(薄い痕跡)が見える。
さらには、九十九に下る新設林道の、最初の3折れは南西端を、その後は南東端をつなぐような道も見える。実際、ここにも木段や山道の跡がある。

どうやら昔から、門桁貯木場からの南尾根(気田川から登る)ルートと、セトノ沢末端・門桁ダム付近からの南西尾根ルートは存在したらしい。
両者は1313周回林道の内側で合流し、1313を経由して五丁坂頭山(沢口山?)へ向かっている模様。


ちなみに最新の2004-写真は、一部しかデータがない。竜頭山や秋葉山は外れている。たまたま運よく、この山域のデータはあった。
簡易だけあって、色味合わせなどもされておらず、尾根か写真の境か判りづらい箇所もある。

よくよく眺めると、ミテラ沢方面の橋は架かっている。麻布山登山道の祠の北西は崩れたまま。ということからすると、この山域に関しては2013~2014あたりの撮影のよう。

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