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ハイランドしらびそ
浜松市から長野県上田市まで、切れ切れながらR152が続いている。
普段は途中で右手に入り、秋葉山など天竜スーパー林道に乗っていくところ。
せっかくの盆休みなので、豪華な草木トンネルを抜け、綱引きをする県境を越え、飯田市上村にある「しらびそ高原」まで出向いてみた。

R152は道なりに行くと、上村で矢筈トンネル(R474)に入って飯田市街方面へ抜けてしまう。その直前で脇道のR152へ入り、さらに脇道の市道へ入る。

1車線の山道をひたすら登ると、山頂付近にしらびそ峠がある。北にある尾高山へでも行くのか、登山者然とした人が結構いる。

見上げたすぐ先、小洒落(× 小戯れ)た建物が宿泊施設のハイランドしらびそ。広い駐車場、広い広場、展望台。宿泊施設に軽食コーナーに150円の自販機に100円のトイレ。

そこから南に下るとキャンプ場もある。さらに下ればクレーター跡に御池山下栗の里などを経由し、急斜面のすれ違いもできないような生活道路を通り、やがてR152に出る。


クレーター跡
とりあえず、御池山に寄り道しつつ、そのルートを回ることにした。
各所には案内看板が多数設置されており、まず迷うことはない。

御池山に連なる山脈が、クレーター跡の縁という。一番高いあたりが、おそらく御池山。
地質調査でそうらしいことが判ったようだが、地形から判別するのは困難。


御池山山頂の眺望
クレーター展望の先のカーブ過ぎに、御池山登山口がある。看板が小さくちょっと判りづらい。
道は整備されていて、スニーカーで十分。

山頂は岩場で三角点がある。南方に眺望があるようだが、曇天で見られず。
短いササに覆われた尾根があるが、先端に三角点風のコンクリ杭があるだけで終わっている。

登山道途中に、「中郷の御池」へ下る道がある。


中郷の御池
分岐では、御池まで0.7kmとある。やや深い笹の中をかなり下る。足元が見えないところに階段整備がされているため、かえって歩きにくい。

現地案内板によれば、「古くから雨乞いが行われており、この池の水を汲んで帰る際にこぼすと、ナギ(崩壊地)ができるとも、大雨になるともいわれる」とのこと。

池は溜まり水のよう。特に流入流出のルートは見られない。かといって、とくに澱んだり臭ったりするわけでもない。低い笹藪の中にあり、苔むし、ウシガエルのような巨大なおたまじゃくしが多数泳いでいた。


ミヤママタタビ ♂
水窪あたりでは、マタタビ(Actinidia polygama)がごく普通に見られる。道路から見上げれば、そこには当たり前のように白化した葉が見える。中ノ尾根山へ登ったときも、白倉林道にはマタタビは多かったが、林道奥部で一箇所だけミヤママタタビ(A. kolomikta)が生えていた。
しらびそ高原では、マタタビはあまり見られず、ミヤママタタビが標準になっている。

冒頭の写真のほか、道路脇の茂みが各所でピンク色に染まっている。やはり雌株は少ないが、比較的容易に見つけられた。

ヤマブドウ(Vitis coignetiae)も多い。スーパー林道ではサンカクヅル(V. flexuosa)が標準的だが、白倉林道の奥の方(1400mクラス)ではヤマブドウが多く見られた。しらびそ高原の標高はさらに高い。


ミヤマニガイチゴの今年枝

ミヤマニガイチゴの結果枝
ハイランドのあたりが1900m超。標準的な下草はササ類。
撹乱地にはキイチゴも生えるが、見慣れたそれとは違う。

雰囲気はニガイチゴ(Rubus microphyllus)だが、T形に3裂、中央が特に長く延びる。葉脈はふつうに10対を超える。各所で同様の形態であるので、株の個体差ではない。
花は見られず。果実は赤熟。粒の揃わないものが多かったが、旬を過ぎていただけかもしれない。一箇所に1~2果を着けるが、1果のものが圧倒的。

ニガイチゴの変種、亜種、同種の山地型など、いくつか見解があるようだが、ともかくこれがミヤマニガイチゴ(R. subcrataegifolius)ではないかと思う。今年枝の葉のほうが、やはり裂がきつい感じがする。


ミヤマウラジロイチゴ

ミヤマウラジロイチゴの新芽部分
道脇に生える裏白のキイチゴ。遠目の姿は見慣れたエビガライチゴ(R. phoenicolasius)と変わらない。
念のために確認してみると、赤い毛が生えていない。

今ではミヤマウラジロイチゴ(R. idaeus ssp. nipponicus)は、エゾイチゴ(R. idaeus ssp. melanolasius)などとともに、所謂ラズベリー(R. idaeus ssp. idaeus)の一亜種とするらしい。

※ 後日、クロイチゴ(R. mesogaeus)と判明した。



学名はYlistより。

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