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尉ヶ峰わきのパンスターズ彗星
もう少し枚数を稼いでコンポジットすれば、彗星然とした写真になったかも……などと書きつつも、光度とテンションは比例してしまう。
ところが春分の日開けの21日は、地平線まで快晴という、春にはありえない天気。寒冷前線が冷えたきれいな空気を連れてきたらしい。魔がさして、また行ってしまった。

久々に上着の要る晩。例によって連続固定撮影をする。すっきり晴れてはいるが、やはり肉眼では見えず。双眼鏡では、あいかわらず「ふぉっ」っと見えるだけ。
撮影したものは、AviUtlで映像化、およびYimgによってコンポジットを試みる。先日使ったRegiStaxでもできそうだが、使い方が解らず断念。

ソースとなる画像は、CaplioR2で撮影。f22.2mm(光学最大、135mm相当)、F4.8(開放)、WB曇り、ISO800、8秒露出(最長)、10秒インターバル、1280×960ピクセル、ノーマル画質JPEG。
18:45頃から撮り始め、約30分間続ける。10秒インターバルなので6枚/分のはずだが、処理が間に合わないらしく、5.4枚/分程度しか撮れていなかった。


コンポジットは、以前使ったことのあるYIMG(ver 4.02)で行った。

画像処理ではステライメージがメジャーなところだが、価格のゼロが一つ多い。
YIMGはフリーだが、ダイアログがWin3.1っぽかったり、ESCでキャンセルできなかったり、TABで移動していくと入力値がクリアされたり。コンポジットも1度に4枚までしかできないなど、残念なところはある。もうちょっとなんとかしてもらえると嬉しい。
18:53ごろからの16枚の写真を元に、手動で位置合わせをして合成、最後にトリミングしたのが冒頭の画像。324mm相当になる。自動合成機能もあるが、S/N比が悪すぎるためか、まともに機能しなかった。

まず、位置精度を上げるために画像を拡大する。16枚のJPEG画像を、MSPaintで読み込み、3倍に引き伸ばし、BMPで保存する。PNG形式はYIMGでは読めない。
YIMGに4枚ずつ読ませる。ドラッグ&ドロップが可能。画像を目いっぱい拡大し、彗星の核の位置(頭部明るみの重心と思われる点)を読み取り、メモしておく。手動合わせの[画像合成(C)]-[ポイント指定(P)]を使う。位置だけ合わせればいいので、[ポイントAの座標]に、先にメモした値を入力する。このとき、まず最初にファイル名をすべて指定しておく。ファイル名入力にフォーカスが行ったとたんに、入力値がクリアされる。そのため、TABキーも使えない。
合成されたら、[ファイル(F)]-[保存(BMP,JPG,TIF,PPM)(S)]で保存する。念のため、フォーマットはTIFF(48bit)とする。BMP(16ファイル)→TIFF(4ファイル)→TIFF(1ファイル)と進んで、16枚のコンポジット画像ができる。
最後に見易くするために、ガンマ補正を掛けておく。ここからトリミングしたのが、冒頭のもの。多少滑らかになり、尾の方向も判るが、頑張りは報われなかった。

ハッキリしない核より、星を基準にしたほうが精度が出やすいのではと、ζ Andを基準にしても行ってみた。が、結果的に差は見られなかった。本当に報われない……


元の画像の1枚

4枚コンポジット(縮小版)

16枚コンポジット(縮小版)

16枚コンポジット、ガンマ補正(縮小版)


映像化は、AviUtlで行う。

AviUtl本体でファイルを開く際に、連番画像の最初のファイルを指定する。また、fps指定もここで行う。6fpsとしたので、66倍速程度になる。
背景のノイズが激しいので、「ノイズ除去(時間軸)フィルタ」を使う。設定は、強さ:256、範囲:3、しきい値:77とする。しきい値は、ノイズが消えつつ残像が出ないポイントを探し出す。
ちなみにこのフィルタは、SSE2が有効になっていると効かない。SSE2設定は、[ファイル]-[環境設定]-[システムの設定]の中にあるのでチェックを外す。設定を変更したら、AviUtlを再起動して反映させる。
SSE2の無いマシンはほとんど現存しないので、本来は使えるはず。いま使っているバージョンが、どうやらバグ持ちらしい(wiki)。Omakeと称して、本体にプラグイン等コミコミで配布しているのが、そのバージョン。

ノイズ取りと映像化ができたところで、いったん無圧縮avi形式で保存する。
この映像ファイル、画像ファイル、テキストなどを、AviUtlの「拡張編集」で再び取り込む。各種編集加工した後、MPEG4で保存。YouTubeにアップロードする。
オリジナルのサイズは1280×960。HDモードに切り替えないと、かなり見づらい。


尉ヶ峰脇に沈むパンスターズ彗星

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