「WinME機をまっさらにしようと、リカバリーを始めたが一向に進まない。」
出向いて見ると、本当に進まない。あれこれ調べたところ、初めにパーティションを切る段で、半分強のあたりから進まない。当然、それ以降のフォーマットおよびインストールも行えない。メーカであるNECの電話サポートと話してみたものの、最終的には「ハードウェア的にダメかもしれませんねぇ。」
ちなみにこのマシンには、パーティションをいじるツールを使った経歴があったが、それは問題ないとの言質をサポートから得ている。
ダメかもとまで言われたので、ダメ元でローレベルフォーマットを試みることにした。ググってみると、いくつかのツールが見つかる。幸いFDD付きのマシンであったので、MaxstorのMAXLLFを使うことにした。
使い方などは詳しいサイトがある。ちなみにMaxstorはSeagateに吸収されているので、このツールは現在はオフィシャルではない。
別のWinXP機でフロッピを起動用にフォーマット、そこにmaxllf.exeをコピー。日本語キーボードを認識させるために、autoexec.batには「keyb jp」を記述しておく。
当該機をそのフロッピから起動し、MAXLLFを実行。フォーマットは非常に時間が掛かるので、動き出したのを確認して、「終わるのは深夜だろうから、完了後にまた普通にリカバリーやってね」と言い残して帰宅。翌日、なんの問題もなくリカバリーまで完了した、との報。その後しばらく経つが、トラブルもなく使えているという。
WinXP MCE(MediaCenterEdition)機が持ち込まれた。Windowsが立ち上がらず、黙りこくったまま。放っておくとコマンドラインにエラー表示が出る。もし拾えそうなデータがあれば拾っておいてね、とのこと。
表示されるエラーは、「OSに必要なファイルが無い」ようなことを言っている。しかも、起動を試みるたびにファイル名が変わる。とりあえず中身を見てみようと、WinXPのCD-ROMから回復コンソールを起動。しかしルートとシステムフォルダぐらいしかアクセスできず、まったく使えない。chkdskを掛けてみるが60%あたりでほぼ停止。一晩寝かしても71%止まり。Windowsからではダメっぽいので、別のOSからのアクセスを試みることにする。
覗くにはDOSの類が手軽そうな気がしたが、このマシンはFDDベイにはカードリーダが収まっている。またそのDOSで「ファイルの共有」ができるのかも判らない。調べていくと、CD1枚で立ち上がるlinuxがあるらしい。knoppixといい、最新版は6.0.1。ただこのバージョンには、samba(「ファイルの共有」相当)が入っていないので、5.1.1の方を使うことにした。
CDイメージであるknoppix511-TC-Geeks-101.isoをダウンロードし、CD-Rに焼く。ライティングソフトは、@ITで紹介されているISO Recorderを使う。右クリックからシンプルに作業ができて便利。
当該PCでknoppixを起動し、「ドライブをマウント」など目新しい作法に戸惑いながらも、HDDの中身を確認する。セキュリティの関係か単に壊れて消えたのか判らないが、Program Filesなどありそうなフォルダが無かったり、既存フォルダもほとんど空だったり。sambaを起動し、とりあえず目ぼしいものをLAN経由で別PCへ移した。
OS部分だけでも再生させてみたらどうか、と、WinXPのCDから修復インストールを試みる。system32フォルダなど基幹部分のあたりが壊れているようなので、それらフォルダ名はリネームして「使用済み」を演出しておく。インストールが終わると、新たにシステムフォルダなども作成され、なんとかデスクトップが出るところまでこぎつけた。HDDを再確認してみるが、knoppixから見たのと変わり映えない。起動中にエラーも出ていたので、データ救出はここまでとして、新規のインストールを試みる。
diskpartでパーティションを切り直し、formatでドライブをフォーマット。しかし、このフォーマットがのっけの1%あたりで止まってしまう。再びローレベルフォーマットを試すことにする。
FDDレスのマシンであるので、今回はCDブート可能なSeaTools(PowerMAX後継ツール)を使う。Seagateのサイトから辿っていきDOS版SeaToolsをダウンロードする。ライセンス規約承諾、メールアドレスの入力を経た後、言語やメディアでダウンロード対象を選ぶ。日本語のISO CD-ROM Image版を選択すると、ISOファイルがダウンロードできる。このファイルを、先にも使ったISO Recorderで焼く。
ブートすると、FreeDOSが起動し、その上でSeaToolsが実行される。動作は非常に緩慢。クリックが1秒後に反映される感じ。ワイヤレスマウスなどの影響だろうか。ともかくフォーマットを試みるが、「エラーの数が99個を超えた」と断られてしまう。表示メッセージには、「70℃を超えたか超えたことがある」云々、とある。スリムタワー型の狭い中に押し込められて、灼熱地獄で逝ったのかもしれない。
ともあれ、ローレベルフォーマットができないことには仕方がないので、前回使ったMAXLLFをなんとか使ってみることにする。MAXLLFはフロッピから起動するので、Virtual Floppy DriveでFDDイメージを作り、fdtoisoでISOイメージファイル化、それをISO RecorderなどでCD-Rに焼きこむ。このCDでブートすると、あたかもFDDから起動したように動作する。作成の詳細は後述。
結局のところ、MAXLLFはIDE(parallel-ATA)専用らしく、serial-ATAのこのマシンのHDDは、認識自体しなかった。熱ストレス歴があり、フォーマットすらできないHDDであるので、回転数の低めな新品に換装し、リカバリインストールして完了とした。
FDDから起動するように見せかける、ブートCDの作り方は次のとおり。
必要ツール類:
- Virtual Floppy Drive 2.1(vfd21-080206.zip :仮想な背中)
- 起動FDイメージをISOイメージに変換するプログラム(fdtoiso_gui.lzh)
- ISO RECORDER(ISORecorderV2RC1.msi:@ITの解説)
1.Virtual Floppy Driveを起動し[ドライバ]タブ-[インストール]ボタン押下
2.[ドライバ]タブ-[開始]ボタン押下
3.[ドライブ0]タブ-ドライブ文字:[変更]ボタン押下
4.ドライブ文字をB:などに変更
5.[ドライブ0]タブ-[開く/新規]ボタン押下
6.適当な場所に適当な名前でイメージを作成、ディスク種別は[FILE]に変更し[開く]
7.explorer上にB:ドライブが現れるので、「MS-DOS起動ディスクを作成する」フォーマット
8.maxllf.exeをB:にコピー
9.B:¥autoexec.batに「keyb jp」を追記
10.[ドライブ0]タブ-[閉じる]ボタン押下
11.[ドライバ]タブ-[アンインストール]ボタン押下
12.Virtual Floppy Driveを終了する
13.fdtoisoを起動し、6.で作成したイメージファイルをD&Dし、ISOイメージファイルを作成
14.ISOイメージファイルを右クリックしてISO Recorderで書き込む
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