フユイチゴ類は咲き始めた。ミヤマフユイチゴ(R. hakonensis)は穂状に蕾を出し、オオフユイチゴ(R. pseudosieboldii)は咲き始めた。
写真は、コジキイチゴ様のコジキカジF2(R. sumatranus × R. trifidus)。
ブラックベリーは、やや蔓性で、挿し木のほか蔓伏せも可能とされる。現に手元のソーンフリー(R. fruticosus ※)は、枝をもらって挿したもの。
ちょうど1年ほど前、シュートがえらく伸びてしまったので、剪定がてら地面に挿しておいた。かなり長かったので、ループ状にし、下穴もあけずに地面へぶすっと。土質は黒土。管理は、水やりのみ。
挿し木と蔓伏せを同時に行ったような状態。手荒にやっつけたが、葉は落ちず、冬芽もでき、今春には芽吹いた。
完全に着いたのかと思ったが、芽は伸びず。6月に入ると根側が変色してきた。さらに様子を見ると、せっかく芽吹いた芽が、根側から順に枯れていく。
枝先側が生き残っており、おそらくシュートもそこから出ていると思われる。挿した枝は結果母枝相当となり、冬芽を展開したことで役割を終えた、ということか。
挿し木より蔓伏せのほうが、発根しやすいのかもしれない。現在シュートは約20cm。
'11採取のハスノハイチゴ(R. peltatus)は、ようやく咲いた。
訳あって'13年初に株分けしたので、今春が前年春夏から1年あまり根をいじらないで通せた初めての春。
日当たりがよすぎると、傷んで枯れてしまうので、昨年からはクスノキの下に置いている。
蕾は5個で、ゴールデンウィークの終わりごろに開花。ただ、まともな大きさのものは2つのみ。いずれも雌蕊がなかった。
残り3つは、小さく、雌蕊が目立つだけの奇形花だった。
何度かトライしているカジナワシロ(R. trifidus × R. parvifolius)は、今年もダメっぽい。
60粒播いて、出たのはひとつ。
一昨年は直射に当てたすぐ後に枯れたので、今年は腰水ボックスに入れたままにしておいた。鉢底2~3cmの腰水で、半日陰。さらに網戸も被せてあり、高温直射から保護したつもり。
前回より本葉の数は少し増えたようだが、大きさは大差なく。結局、成長が止まって頭から枯れてきてしまった。一葉が残るのみで、今月中も持たない雰囲気。
這い性と立ち性、赤花と白花、閉じ気味と開けっぴろげ。この掛け合わせには興味深い点が多数あったが、普通に育てるのは無理なよう。
もっとも、そもそも雑種を手がけ始めたのは、野にあるのに図鑑に載ってない「種」を確保したい、ということだった。カジ×ナワシロという雑種は通常存在しない、という結論を得たのもひとつの収穫。
カジモミジ(R. trifidus × R. palmatus)を作った当初は、花粉を着けて実らせる、ということしかしなかった。そのせいか、カジモミジの中には、ヒメカジイチゴ様の株も出てきてしまった。
ヒメカジイチゴF2はニガイチゴ様になる。カジモミジF2はカジモミジ様になる。カジモミジ#1が、ヒメカジ似のカジモミジなのか、ヒメカジイチゴ(R. × medius)なのかを確認するため、カジモミジ#1F2を試してみた。
カジナワシロと一緒に腰水ボックスに入れたままだったので、やや軟弱な雰囲気。いくつかは葉柄が赤い。現状では葉から種を判別するのは難しい。
3裂の深いのは、ニガイチゴ(R. microphyllus)のシュート似なのか。複葉にも見えるが、そうだとするとまた解釈が厄介になる。
今後は徐々に日に当て、推移を見守るつもり。
【 和名、学名の出典等について 】
- 標準和名や学名は、基本的に「YList」ページを採用する。
- Ylistに掲載のないものは、 Wikipediaの「キイチゴ属」ページのものを使う。これには「※」を付す。
- 交雑種は、種レベルの扱いがあり特に著名と判断したものはそれを使う。それ以外は独自名を付す。和名は両親から「イチゴ」を取った合成名、学名は両親を「×」でつないで連名とする。いずれも母体を先頭にする。
- 例:カジイチゴ(R. trifidus)を母体にコジキイチゴ(R. sumatranus)の花粉を付けたもの → カジコジキ(R. trifidus × R. sumatranus)
- 雑種は、入手個体を「F1」とみなす。特に必要がなければ「F1」とは記載しない。その子は「F2」となる。たとえばファールゴールドの実生は、「ラズベリー・ファールゴールドF2」と記す。
- 同種が複数株ある場合は、和名の後に番号を付す。従前1株だったものは、それを#1とする。
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