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4月20日ごろの各紙に、鋼鉄より強いポリプロピレン(PP)が開発された、という記事が載った。広島大学の特任教授、彦坂氏らによる。
PPは、タッパーのボディや荷物をしばるPPバンドでおなじみのプラスチック。これを製法を工夫することで、エンジニアリングプラスチック相当にすることができた、という。

情報をまとめてみる。



製法は、PPの融液を150℃(出典:47news)という過冷却状態にし、10msで半分(出典:YOMIURI ONLINE)という速度で、一気に押しつぶしてシート状にする。これにより、細かな結晶ができ均一に並んで結びつき、従来は非結晶が半分含まれていたところ9割超を結晶化することができた。そのため、強度が大幅に上がり、透過率99%という透明な状態になり、耐熱温度も通常PPより50℃高い176℃まで上げることができた。弾力もあり、折り曲げても元に戻る。比重は0.94で水に浮く。

引っ張り強さは、通常のPPの7倍、鋼鉄やステンレスの半分。比強度(密度あたりの引っ張り強さ)は、鋼鉄の2~5倍、アルミの6倍。この比強度をもって、「鋼鉄より強い」の見出しが付けられている。

厚さを倍にすれば、鋼板と同等の強度を持ちながら重さは1/4ですむ。透明度が高いため、ガラスの代替も考えられる。自動車、航空機、建築物などに使えると見ており、車に使えば車重は半分になると見積もる。価格は、圧縮工程が追加されるだけなので、現在のPPと大差ない。FRPのように混ざりものが入ってないので、リサイクルにも有利。

プレスリリース:鉄鋼のように強い汎用プラスチックの創製



ナノ粒子化や高純度化などが目立っていた気がするが、製法の工夫でも新境地が開けることを示した良い例かもしれない。素人工作でも、おおまかな確認試験ができそうな簡易さと性能向上で、コストパフォーマンスもかなり良さそう。

大きな期待を寄せてしまうが、耐薬品性や耐候性の記述が見当たらない。キシレンを入れたハンドラップの蓋は膨潤してしまったし、1年間雨晒し日晒しのタッパーは、手で簡単に割れるほどに脆化していた。自動車に使うとなれば、耐衝撃性や、物理的な損傷による大きな強度劣化が無いか、可燃性であること、なども気になる。
今後に期待したい。

 

天竜スーパー林道は4月に冬季通行止めが解除される。天竜区のお知らせによれば、秋葉神社までと、水窪・山住峠経由のカモシカと森の体験館(カモシカ館)までは、通年通れるらしい。

常光寺山登山口 カモシカ館敷地の北端に常光寺山の登山口がある。通行止め期間中であれば、人もなくのんびり登れるだろう、と目論んで出向いてみた。
が、すでに数台の車。3組と犬が先に登っていった。ほかにも数台の偵察車両あり。
標高約1120m。山頂は1438.5mで標高差320m。ただし途中に100m級の鞍部がある。

登山口の北のゲートは閉められている。

サクラは冬芽 カモシカ館にはサクラが植えられている。下界では満開の今でも、やっと冬芽が膨らみかけたところ。モミジイチゴも同様。
平地に比べて、秋葉山近辺で半月、水窪に入った奥では1ヶ月程度、季節が遅れる。

登山道1 バイケイソウの芽吹き 霜柱 登山道はスーパー林道に沿って登っていく。初めは緩く、ときどき急登もあり、ところどころで景色も見える。南方には出発点のカモシカ館、竜頭山などが、北方には野鳥の森やその観察小屋、その先には地肌のあらわな麻布山も見える。残念ながら天候が万全でなく、靄のかかった状況だった。

スーパー林道一帯にはバイケイソウがとても多い。山菜採りへの注意看板もよく見かける。ようやく芽吹いたところ。取水場(?)には、開きかけたフキノトウもあった。
足元にはまだ霜柱もある。長いものでは5cmに達するものも。


モノレールに遭遇 登山道2 登山道3 登山道4 徐々に西に向きを変えながら登っていく。多少岩もある。
いつの間にか、右手にモノレールを見る。見たところ、ミカン園のそれと変わりないようだが、こんな山奥で……


小ピーク やがて1390m余の小ピークに着く。その先には山頂が見えるが、道が続いている感がない。
道はここから右に90°折れ、北へ迂回する尾根道になる。


モノレールをまたぐ モノレールのスイッチバック モノレールとお別れ 比較的なだらかな道をいくと、右手を走っていたモノレールが山道を横切り、そして林の中へ消えてゆく。その後、右手には大きな崩落地が現れる。ここを回避するためだったよう。
さらに進むと再び左手から横切る。1420mほどのなだらかな頂部付近でスイッチバックし、右手北側へ山を下っていく。
山道は左手へ続く。


山道5 山道6(鞍部) 山道7 山道8 モノレールと別れると一気に下る。撮るのを忘れてしまうほどの、急なつづら折りの下り。短い鞍部を抜けるとひたすら登り。地図で確認すると高低差は100mほどもある。


山頂 山頂、逆から 山頂看板 三角点 祠 そして山頂到着。三角点と山頂の看板。見晴らしはある程度ある。山頂北には、小さな祠がある。常光寺山というが、廃寺跡や謂れ紹介看板などは見当たらず。
先行していた犬連れご夫婦が昼食中。さっそく昼にする。


雪が舞い始めた 霞むカモシカ館 まもなく風が幾分強まり、雪が舞い始める。スタート地点のカモシカ館が白く霞む。
休憩もそこそこに急ぎ下る。想定時間は1時間半。登りは10分オーバー、下りは雪の後押しもあり1時間かからず。



帰りに、かささぎ大橋の東の通り沿いにあるバスパニ(BAS PANI)に寄ってみた。「ネパール・インドのカレー料理」とある。ディナーのセットは1500円程度から。
座ったテーブルにはナイフとフォークしかない。ネパールではスープをナイフで食うのか? と見回すと、別のテーブルにはスプーンが山盛り。小物を飾った棚は傾いているし。
ただ、カレーもチキンもスープも美味かった。量も十分にある。インドカレーというと大概辛いが、日本の辛口の少し上程度。いくつか行った中では最も優しい味。

帰り際には雹に遭った。東方では雷鳴が轟いている。1cmほどもあり、ルーフに、フロントガラスに、叩きつけて飛び散る。撮る余裕もなく退散。飛来物による損傷は「限定+A」保険も利いたはず……などと考えつつ逃げるように川を渡ると、そこはもう降っていなかった。磐田・袋井・森あたりに集中していたようだ。

 

今未明は、発達した低気圧から伸びる前線が通過し、かなり強い雷雨になった。真夜中に起きてしまったほど。それも朝には上がり、日も差してきた。
見上げると、台風一過よろしく足早に雲が飛んでゆく。ただし、のっぺりとした薄曇り。遠くを眺めると、1km先の山が消えそう……曇りではなく、猛烈な黄砂のようだ。曇りと違って、まったく斑のない白んだ空は、ちょっと異様な雰囲気。
報道によれば、県西部では視界1.8kmにまで落ちたとか。

黄砂じゃなさそう100x 足元を見ると、黒いプラ鉢やバラの新葉が、激しくだんだら模様。これからダコニールを掛けるというのに、もう済んでしまったような様相。せっかくなので顕微鏡で見てみた。

鉢の斑にセロハンテープを貼り、剥がしたものを100倍で観察。
画像ではいまいちだが、半透明の鉱物の中には、赤、緑、透明からオレンジへグラデーションのあるものなど、かなり綺麗。まるで宝石のよう。大きさは先日見たスギ花粉より少し小さいかなぁというレベル。


黄砂100x 黄砂400x
花粉はともかく、鉱物なのにこんな大きなものが飛んでくるのか? と視野を振ると、だいぶ小さなそこそこ粒の揃ったものも多く見られた。おそらくこちらが黄砂だろう。
400倍などでも見てみたが、たいして面白みはなかった。


空はどんどん改善し、午後にはかなり視界も良くなった。

 

マガジンファイル背表紙 かつては、天文ガイド(誠文堂新光社)専用のファイルが販売されていた。水色地に白の「天文ガイド」箔押しがあり、6冊+臨時増刊1冊の半年分が収納できる。当初は600円、後に値上げされ、最終的には800円にまでなったと記憶する。古くは12冊用があったとも聞くが、その時代は知らない。
このファイルはだいぶ昔に廃盤となり、数年分の野積みに倒壊の危機が迫ってきた。そこで収納できるファイルを探すことにした。

まずは純正品を探してみる。
天文ガイドファイルには「株式会社テッサー」製造とある。社名でググってみると、文具製造卸などの会社がかかる。が、小売はしていない雰囲気。中古品を探すと、「いるか書房」でいくつか見つけたものの、タマ数は少なかった。

仕方がないので、代用品を探す。
あれこれ調べたところ、商品名は「マガジンファイル」が最も適当のよう。検索するとボックスものも掛かってしまうが仕方ない。ちなみに日本ファイルバインダー協会解説ページによると、求めるものは「ピン式ファイル」や「パンフレットファイル」が該当するらしい。中綴じの雑誌に、前者はピンを引っ掛け、後者はワイヤーを挟んでハードカバーにファイリングする。純正品は前者に当たる。ただ、これらはマイナーな商品のようで、リヒトラブ(F-1403)など現行のものはA4のみ、コクヨに至っては廃盤扱い。海外を当たってみても、目ぼしいものは見つからなかった。また、いずれも後者のワイヤータイプだった。
結局、天ガのB5サイズに合うのは、「三條紙器工房」と「信誠堂」の2商品のみ。これらはいずれもピンタイプになる。

ファイル背部の比較 純正品は、止め具幅が70mmある。70mmに対応するのは三條紙器工房のみ。ただ、純正品はややだぶつき感があり、またかつてのように定期的に「臨時増刊」されることもなくなり、さらには本体も薄くなってきている。測ってみると6冊で50mmそこそこ。信誠堂に問い合わせると、止め具の幅は55mmであるという。また、おそらく三條紙器工房のものと同等品、とのこと。なんとか収まりそうなので、価格が少し安く、クレジット決済ができ、送料無料条件の緩い信誠堂のものを購入してみた。

ちなみにamazonでも、送料等含めてまったく同条件で購入ができる模様。

実物を見ると、確かにそっくり。止め具の構造は少々複雑なのだが、三條紙器工房のWeb説明のとおり。止め具幅は55mmだったが、ピンの動く範囲は50mm。ハードカバーの内寸は65mm。このへんも、50mmタイプの説明と同じ。違うのは色だけで、ちょうど天ガ純正ファイルと同じ水色になっている。高さは少しだけ高いが、並べてみても違和感はない。

純正品と違い、止め具は総プラスチック製で解体できない。ピンを曲げて雑誌に引っ掛けて、自力で元に戻らせる仕組み。大丈夫か、と心配になるほど曲げなければならないが、ちゃんと戻ってくれる。横方向にしか曲がらないので、ピンを斜め横に向かせて曲げ上げて引っ掛ける。少しコツが要る。
ピンは12本付いている。6冊収めると幅に余裕がなくなり、余剰ピンを寄せておくスペースがない。背表紙のない本なので、1冊おきに余剰ピンを挟んでおいた。

このマガジンファイルは、天文ガイドファイルの代用になりそう。


2015/6/16追記:

何度かここで購入しているのだが、毎回粗品がついてくる(→画像)。
店名の入った0.7mm(?)のJETSTREAM。ただの油性ボールペンなのだが、使ってみるとただものではない。書き心地がすごく軽い。
消せるペンなど目新しいネタに目がいきがちだが、こういった当たり前を極めたものもまた好い。

 

シーチング表面と光の透過の様子 赤い布がいくらか必要になったので買ってみた。

裁縫は家庭科の授業以来した記憶がないので、ともかく調べてみる。

布地には、綿、麻、ポリエステルなど素材の別のほか、シーチング、ブロードなど織り方の違いもある。デニム、ベルベットといったものもこの分類のひとつ。但馬屋のサイトに布の豆辞典のページがある。
今回は用途から、生分解性が高いであろう綿100%とし、最も安価なシーチングを選んだ。ちなみにシーチングという布は、パリッともツルッともしておらず、光沢もなく、1枚では向こうが透けてしまうような薄手のもの。学校行事で、はちまきや旗などに使われる、あの当たり障りのない布地。

大塚屋から届いた布の包み ネット上を浚ってみると、10cm単位の販売では、「キンカ堂」の31円/10cmが最も安い。ついで36円/10cmの「生地.net」や「布の但馬屋」がつづく。送料が異なるので、どちらが得かは購入量による。
楽天やYahoo上のショップでは、メール便対応(160円、200円など)、クレジット支払い対応、など利便性もいい。
少し多めに買う場合には、「大塚屋」が安い。メートル単位での販売ながら、値段は220円/mと一気に下がる。品揃えもよく、所望3mを超えるようであれば送料を考えてもお得感が出てくる。



本来は、用を足した後には持ち帰るもの。とはいえ、塩ビテープが巻かれたままになっているのを見かけることも多い。環境に優しいアセテート製なる製品もあるが、化学製品の中では優しい方、というレベルらしい。止むを得ず、の場合を考えれば、自然素材がベターではないだろうか。もちろん、持ち帰るのがベストである。

 

7日頃から鼻センサーが反応を始めていたスギ花粉。雨天などで小康を保っていたが、今日、本格的なシーズン入りとなってしまった。ただ、去年よりはだいぶ遅い。

スギ花粉顕微鏡写真1 スギ花粉顕微鏡写真2 10日ごろには関東でも観測されたとの報。そのころにはまだ少なく、簡易な採取法では検出できなかった。今日は、薄黄色の微細な点々を車のフロントガラスに確認した。

フロントガラスを湿らせたティッシュで拭き、それをスライドガラスに判子を打つようにポンッと転写。サフラニンOを4倍程度に希釈して染色。100倍で観察。
小汚い鉱物飛散物とともに、球状の花粉が多数見られる。左のピンクのパックマンは、中身を放出した状態。拭いたティッシュを1時間ほど置いて同様に観察すると、ほぼ全てがパックマンになっている。愛嬌があるといえばあるが、4月半ばまで苦しめられると思うと微妙。

顕微鏡は、Vixen FM-1500を使用。対物10x接眼10xで計100倍。
デジカメは、RICHO CaplioR2を使用。接続アダプタが付かないようなので、接眼レンズにあてがっての手持ちコリメート撮影。デジカメ設定は、最望遠+2倍デジタルズーム(270mm相当)、ピント∞、フラッシュ禁止、VGAサイズ、その他はオート。

画像上のケラレは、接眼レンズのアイレリーフが短いためと思われる。ケラレ部分を少なくするために、デジタルズームで撮影範囲を狭めたいが、このカメラは最望遠にしないとデジタルズームが効かない。そのため、こんな望遠で撮っている。液晶ファインダーに映る画像は、実視の数倍に見える。デジタルズーム2倍でVGAサイズなので、CCDのフルカラー画素1セット分が1ピクセル程度になる計算。デジタルズーム無しの適当な焦点距離で、Quad-VGAで撮ってトリミングしてもいいかもしれない。ピントについては、∞が最もケラレの影響が少なくなる。

撮影画像は、見た目と違ってオレンジ一色になってしまった。画像処理ソフトで強力に補正を掛け、実視に近い色あいに調整してある。

 



忘れたいことは忘れないこと

忘れたいのに忘れられない。そんな失敗こそ、忘れてはならない。2度繰り返すやつはバカ。……と、勝手に解釈。
K-MIX キャラメルポケットの投書より。桃井かおりさんの言で、「桃井かおりかるた&扇子セット」として商品化もされているらしい。


思ったようには動かなくても、作ったようには動く

動くはずのソフトが動かない。コンパイラのバグじゃないか? ライブラリが古いのか? 回路が正常に動作しない。ICが初期不良かも。エラッタ出てねーじゃん……
解決してみれば、勘違いやちょっとした記述ミス、配線ミスであることも多い。一般化すれば、物事が上手くいかないときは、己を振り返り真摯に見つめなおすことも必要である、といったところか。
2chのソフトウェア関係のスレが出自らしい。


俳句を捻っている人に、小説の表現力を説くようなもの

コンピュータ言語の優劣を議論し、ヒートアップした際に出た名言。それぞれ一長一短あり、適材適所で使われるのがベストであるのは言わずもがな。固執し、思考停止した時点で負け。
空気嫁(場の空気を読め)のエレガントな表現法、か。

 

キイチゴたちもすっかり冬支度。冬芽を確保し葉を落とし、空っ風に耐える準備をしている。
……などと書く気でいたものの、年を越してしまい、一部では春を迎える動きすら見えてきている。


エビガライチゴ(Rubus phoenicolasius

エビガライチゴ エビガライチゴはかなり長く伸びるので、支柱を渡る螺旋状にしてみた。

すでに葉は落ちた。一部は葉柄を残す独特の落葉の仕方をしている。真っ赤だった毛も、すっかり色あせた。
エビガライチゴ冬芽 冬芽はそれほど大きくない。うっすら産毛を生やす。葉柄を残して落葉するのは、この冬芽を保護する意味があるのかもしれない。


カジイチゴ(R. trifidus

カジイチゴの蕾 カジイチゴは節操がない。

前年の葉をまだ着けるもの、落葉したもの、小指の先ほどもある冬芽を膨らませるもの、蕾まで出してしまうもの……さすがに蕾はこれひとつだったが、おそらくこれは2月中には咲き、全体としては6月頃まで実を着けながら咲き続けると思われる。
虫害?のカジイチゴ枝 虫害を受けたらしい枝があった。植物食性のハチか何かか。

もう少し経って芽吹きの季節になると、新芽の葉を綴って中を食い荒らす毛虫が大量発生する。膨らみかけたまま、いつまでも葉を展開しない新芽が多くなり、手で開いてみると1~数匹の毛虫が巣食っている。人に害のある虫ではないものの、せっかくの芽吹き、開花が見られなくなってしまうのは勘弁。


クサイチゴ(R. hirsutus

クサイチゴ 家の裏に勝手に生えたもの。
日があまり当たらない場所なので、育ちは悪い。風も当たらないため、紅葉も落葉もほとんどない。
クサイチゴの冬芽 冬芽は少し芽吹きかけたようになっている。


クマイチゴ(R. crataegifolius

クマイチゴ冬芽 すっかり落葉し、産毛の生えた冬芽で冬を越す。先端が丸っこい。
あまり大きくないのは、鉢植えで育ちが良くないせいかもしれない。


コジキイチゴ(R. sumatranus

コジキイチゴ コジキイチゴは、鉢植えはとうに枯れ、そこから逃げた庭植えも昨夏枯れてしまった。手持ちの株がなくなってしまった、と思っていた矢先、バラの鉢にキイチゴらしい芽吹きを確認。そのまま育ててみたところ、コジキイチゴだったようだ。おそらく、庭の実りをついばみに来た者が、置き土産をしていったんだろう。
2株ほど生えている。樹高は15cm程度。


ナワシロイチゴ(R. parvifolius

ナワシロイチゴ ナワシロイチゴは庭先の土手などに自然発生している。
まだ黄葉がわずかに残る。
ナワシロイチゴの冬芽 幹も細いが、冬芽もかなり小さい。


ニガイチゴ(R. microphyllus

ニガイチゴの冬芽 すっかり落葉している。トレードマークの「粉を吹いたような」幹と小さめな冬芽が見える。ここから2~3葉出した後に蕾を着ける。
棘はやや上向きにカールする。


バライチゴ(R. illecebrosus

バライチゴ 一昨秋、麻生山で採種したバライチゴ。いままで旺盛だったのが、この秋冬あたりで急に衰えてしまった。冬芽をつくるどころか幹が萎れて、先端からどんどん枯れこんできた。現在は地際3cmほど生きているかどうか、の状態。原因は不明。バラで被害を受けた、コガネムシの幼虫にでも入られたのかもしれない。根を確認してみようか検討中。


ヒメバライチゴ(R. minusculus

ヒメバライチゴの冬芽 昨夏、湖西市で採取したもの。樹高はたいしたことはないが、冬芽は立派。開花が望めそう。


フユイチゴ(R. buergeri

フユイチゴの実り 鉢から脱走し、鉢置き場の下草になっているフユイチゴ。10月初め頃から熟し始め、盛りになった11月初旬の写真。年を越えるまで実りの季節は続く。


モミジイチゴ(R. palmatus

モミジイチゴ(キレハ)の冬芽 魚の骨のような葉を持つキレハ株。冬芽はしっかり育っている。
モミジイチゴ(細弁)の冬芽 花弁の細長い細弁株。全体に細く、よく枝垂れる。冬芽は小ぶりで細長い。
どこから迷い込んできたのか、シロバナシランが発生。大繁殖し鉢内を圧迫していたので、やむなく植え替え整理をした。
モミジイチゴ(丸弁)の冬芽 花弁の丸い丸弁株。非常に直立性。がっしりして幹も太め。冬芽もよく育っている。


雑種:カジコジキ(R. trifidus × R.sumatranus ※※)

カジコジキ カジイチゴを母に、コジキイチゴを父にした雑種。両親の形質を受け継いでいる。コジキカジに似る。
カジコジキ新シュート 棘に関しては、コジキイチゴを受け継ぐ。


雑種:コジキカジ(R. sumatranus × R.trifidus ※※)

コジキカジ コジキイチゴを母に、カジイチゴを父にした雑種。両親の形質を受け継ぎ、カジコジキによく似る。カジコジキより育ちがいいかもしれない。
コジキカジの新シュート やはり棘が鋭く、赤く毛深い。
コジキカジの葉 3出の頂葉が3裂もしくは3小葉化し、側葉は基部側に2裂もしくは2小葉化する。
コジキカジの葉表 葉表には艶がある。
コジキカジの葉裏 葉裏は薄緑色地に赤い葉脈、脈上には赤い毛が多い。


雑種:カジモミジ(R. trifidus × R.palmatus ※※)

カジモミジ(ヒメカジイチゴ)の冬芽 カジイチゴを母に、モミジイチゴを父にした株。

ただしこの株に限っては、あらゆる特徴がヒメカジイチゴであり、近くにニガイチゴの株もあることから、偶然発生したヒメカジイチゴと思われる。棘はほとんどなく、成長がよく、冬芽も大きい。
カジモミジの冬芽 標準的と思われる株の冬芽。これもよく育っている。棘はある。
カジモミジの紅葉 標準株は、きれいに紅葉し、まだ一部が残る。
カジモミジ(矮小) この矮小株も、同じ実から生えた株。樹高は10cm強しかない。葉は500円玉程度。
カジモミジ(矮小)の冬芽 矮小株の冬芽は、ほかに比べるとやや小ぶりだが、樹高などとの比を考えれば大きい。かなり寸詰まりに見える。


雑種:トヨラクサイチゴ(R. × toyorensis

トヨラクサイチゴの冬芽 クサイチゴとカジイチゴの雑種とされる。

植えっぱなしで調子の上がらない株。クサイチゴの血か、冬芽が冬芽然としていない。少しほころびかけて留まっているものが多い。
トヨラクサイチゴ(実生) トヨラクサイチゴは、結実しにくい。授粉しても、キイチゴ状果には遠く及ばない歯抜けになる。そんな中から種子を取り出し播種。発芽率も良くない中から生き延びた、トヨラクサイチゴの実生株。

いい加減に世話をしていたせいか、まだ大きくならない。大鉢に移してから大きな葉が出るようになった。トヨラクサイチゴとして生を受けているなら、春には7小葉が出るかもしれない。
トヨラクサイチゴ(実生)の葉表 トヨラクサイチゴ実生株の、葉表には細かい毛が多い。斜めから光を当ててみるとよく判る。


雑種:ヒメカジイチゴ(R. × medius

もともとの株は調子を落としてしまった。カジモミジに1株、この種に該当すると思われるものが出ている。


ブラックベリー・エバーグリーン(R. laciniatus ※)

ブラックベリー・エバーグリーン 昨秋咲いて実りかけた残骸とともに、まだ紅葉を残す。
根が詰まったか、成長がかなり収まった。植えた当初は、8号鉢ながら5mも伸びるという、驚きを超えて迷惑な成長ぶりだったので、植え替えはためらわれる。
ブラックベリー・エバーグリーンの冬芽 成長振りを考えると控えめな冬芽。ただし棘は、根元へ向かってカールした鋭く大きなものを多数持つ。


ブラックベリー・ソーンフリー(R. fruticosus ※)

ブラックベリー・ソーンフリー 支柱を立て、螺旋状に巻き上げてみた。
オレンジ色の葉を少し残す。
ブラックベリー・ソーンフリーの冬芽 やや毛深い、先の尖った三角形の冬芽を持つ。


ボイセンベリー(R. ursinus × R.idaeus ※)

ボイセンベリー 巻くほど伸びていないが、螺旋風に巻いている。多少葉が残る。
ボイセンベリーの冬芽 ボイセンベリーの冬芽。


ラズベリー・インディアンサマー(R. idaeus ※)

ラズベリー・インディアンサマーの冬芽 インディアンサマーの冬芽。新しいシュートと言うべきかもしれない。
植え替え時に、落ち葉に埋もれていた部分が表に出たもの。間違って切ってしまった前年枝のその根元の芽。


ラズベリー・ファールゴールド(R. idaeus ※)

ラズベリー・ファールゴールドの冬芽 調子が良くないので、これも植え替えをした。20cm程度の小株が多数でき、そこにあった冬芽。
ラズベリー・ファールゴールドの新シュート 新シュートとなるこの芽は、植え替えで表土上に出てしまったのかもしれない。




学名出典:

無印……YList
※……Wikipedia キイチゴ属
※※……文献無し

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