さらに先には、国内最南端の2000m峰、バラ谷の
早朝、R152をひたすら北上する。天竜川沿いの温度計は14℃の表示。風が冷たい。佐久間との分岐を過ぎ、やがて水窪市街へ入る。その日は祭りだったようで、万国旗がはためき、朝から法被姿で酒盛りをしていた。それを横目に眺めつつ東へ、山住峠へ向かう。
登りきった峠の温度表示は11℃。体が冷えたのでトイレを借りる。峠を左折し、天竜スーパー林道の野鳥の森線を北上。カモシカと森の体験館、常光寺山登山口、野鳥の森などを経由して麻布山登山口にたどり着く。既に2台の先客。
登山口付近を水窪ダム側から。
右に休憩所とトイレ。奥へ行けば野鳥の森、左へ登るのが麻布山登山道。
ちなみに、西向きに停めたがこれは大失敗。直射を受け、なま物を入れたクーラーバッグが温まってしまった。
あまりに寒いので、もう一枚重ね着をして8:00スタート。
登山口は1270m。そこから1300m少々のピーク2つを超える。頂には小さな祠がある。
心で一礼して下る。登山口からの距離1km過ぎたあたりで、最低点1230m台の地になる。このあたりでは伐採作業をしているようで、気田川対岸の尾根が見える。植林を切り開けば、バラ谷の頭あたりも見えそう。
2kmほどのところには、左手に少し離れて東屋が建っている。ゆるやかでふかふかの森なので、こういうところで休みながらの散策もいいかもしれない。
振り返って撮ったので写真では右側。
肌がえらく荒れたミズキらしき木があった。
さらに歩を進めると、西側が崩れているところへさしかかる。ミテラ沢源流付近の崩落地のてっぺん。木が踏ん張って崩落に耐えているようなところが多数。
赤リボンの右側に30cmほどの穴が開いている。この道の下はがらんどう。根っこで保っている状態。
3kmあたりから、だんだんきつい登りになる。途中にはまた東屋があり、一息つける。
このあたりは大木も多く、目通り直径1.5mはあろうかというミズナラが鎮座している。
さらに登ると、コガネ沢(気田川支流)側に崩壊している場所に着く。ここからは、目指す前黒法師山やバラ谷の頭が確認できる。バラ谷は木がまばらで禿げていて、いかにも見晴らしがよさそう。サルオガセがたなびき、崖の斜面にはフジアザミが咲く。
写真中央が前黒法師山。これから麻布山を経由して、左手から稜線を登ってゆく。右奥に霞むのがバラ谷の頭。その手前は前黒の支尾根。
その先はガレ場。
遠目に麻布山を眺めたとき、山頂手前の禿げて茶色に見える部分。ここは木が少なく眺望が良い。近くの山は鳥瞰したようにダイナミックに、遠くの山々は薄墨で4重にも5重にも重ねて描いたように。
ただし、急斜面で表土は脆い。滑落したら止まるところがないので、擬木で作られたルートを外れるのは怖い。ちなみにこの階段は、シルバー人材派遣と言うおじさん数人が、昨秋施工していた。
振り返ってみると、先が見えないほどの急登。
危険地帯を過ぎると再び森。やがて麻布神社奥宮跡地がある。昭和39年9月台風で大破、水窪ダム建設など諸般の事情により再建が難しくなったため、別に合祀、代わりに石碑を建てた、とある。小振りなそれは倒されたままだったが。
ひと丘越えると、なにやら廃墟がある。表にある大きな釜は、五右衛門風呂か?
さらに進むと、左手に尾根を見る形になる。尾根と等高になったあたりに麻布山山頂への案内。折り返すように曲がれば、山頂を示す看板と三角点。昔ここには大きな神社があった、などと紹介する看板も。浜北山岳会の金属板が、木にめり込んで痛そうだった。
ところどころではカエデやツタウルシの紅葉が見られる。
登山口から4km強、標高差415m(途中の最低点からおよそ450m)、登り始めてから2時間半。目安は2時間ということなので、道草を考えればこんなところか。
昨年はここまでにしたが今回は東進する。まもなく、3件目の東屋が現れる。このあたりは多少日も射し、広々している。麻布山までの予定なら、この広場まで来て休むのがいい。
この東はひたすら下る。ここにはまだ階段が設置されているが、このあたりが最後。
地図にはその先の鞍部辺りに
最低点と思しきあたりを過ぎると、地図には出ないアップダウンのある上り坂になる。途中、谷間を歩くような場所があり、いつの間にか道が細くなり、尾根を右に見ながら登らなくなってしまった。帰りに赤リボンを確認したところ、谷間の左を歩くようになっていた。
写真中央を進みたくなるが、ルートは左端。この先で両者はクロスするものの、谷筋を道なりにいくと脇道へ入ってしまう。
整備の手が入ってないせいか、道沿いに10cmもあるツタウルシが生えていた。紅葉は7分といったところ。
途中には、北側を望める場所がある。
大きく崩れた左上のピークが黒沢山、写真右隅の高いのが不動岳、中央の霞んだ遠くの山々は
やがて前黒法師山山頂へ到着。麻布に負けず劣らず、眺望は皆無。三角点と看板とベンチ代わりの岩だけ。その先にも、苔むした倒木と道は見えたが、ここで折り返す。麻布山頂から1時間。登山口から6km弱、標高差512m(最低点からおよそ547m)。
昨年はキノコがかなり生えていた。薄暗い中での大きな真っ白いドクツルタケは、相当に美しかった。ほかにも、カラカサタケ、ヒラタケ、ホウキタケ類、ツキヨタケなど、判りやすいものがたくさん。打ち捨てられ、すっかり裂きイカ臭になった、巨大なヘラ状キノコもあった。
今年は雨が少なかったせいか、その手のキノコはまったく見られない。昨年は8月には雨が多く、9月も中盤以降は降っていた。今年のまともな雨は、8月は序盤に2回で、9月は1回のみ。土手のチチアワタケも今年は出ておらず、想像を裏付けている気がする。
そんな中で生えていたものたち。
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