2月2日付日経新聞朝刊38面に、「点鼻薬で脳梗塞治療」という記事があった。
名古屋大学の上田実 氏らは、脳神経を再生する点鼻薬を開発したという。
上田氏は、抜けた乳歯の歯髄に含まれる肝細胞を、神経や血管などの再生医療に用いる研究をしている。点鼻薬の成分は、この幹細胞の培養液の上澄みを結晶化したもの。170種ほどの成長因子が含まれ、体内の肝細胞などを集めて組織再生を促す働きがある。この結晶を溶かし点鼻すると、髄液を通して脳に達する。脳梗塞マウスによる実験では、手足の麻痺が2週間の点鼻で動けるまでに改善し、脊髄損傷マウスでも同様の効果が見られたという。
従来は、幹細胞を直接移植する方法が考えられていたが、患者にかなりの負担を強い、またガン化の恐れもあった。これらの不都合を一気に解決できる可能性がある。製薬会社と組み、早期の実用化を目指している、とのこと。
手術はおろか針さえ射さないで治療できれば、それに越したことはない。ちなみに点滴など血液経由にしないのは、血液脳関門があるからではないかという話もある。
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