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CalSKYには、イリジウム以外にもフレア予報が出ていることにはすでに触れたが、このテラサーおよびタンデムもそのひとつ。
いつも仲良く予報が並んでいるので、いったい何者だろうと眺めてみた。

これら2衛星は、独・航空宇宙センターが運用する地球観測衛星(Wikipedia)。
その名の通りタンデム飛行しており、TerraSAR-Xが先行しTanDEM-Xが追いかける。英語版Wikipediaには数100m離れて飛んでいる、とある。



2017年12月20日。早朝に見られる予報が出た。


CalSKY予報

テラサーX+タンデムX(28mm)

中央部をトリミング

太陽高度は-10°。薄明が始まっているので、短時間露出であとから合成することとした。
カメラはCASIO EX-10。28mm相当、F2.5、ISO400、8秒露出6コマを比較明合成。
予報は-1等、時間差は3秒。いつぞや見た連続イリジウムフレアのような眺めになるやも、と期待した。

予報時刻、短いながらも期待どおりの輝き。しかし、3秒遅れてくるはずの衛星が来ない。予報は外れたのか……?
画像を精査すると、どうも光跡の切れ目が歪んで見える。拡大してみると、すべてのエッジが同じ方向に斜めに切れている。

28mmでは分解できないぐらい近接して飛んでいるのかもしれない。



2017年12月22日。今度は夕方。


テラサーX+タンデムX(112mm)

光跡のトリミング
夕空高く、ペガスス座を横切ってフレアが起きる。衛星は北行。写真の右から左へ動いていく。
太陽高度-12°、三日月もある。光跡の切れ目を見るために、短時間露出なので関係ないが。

112mm相当、F2.5、ISO400、8秒露出の2コマ合成。
見える見えると念じて目を凝らしたが、撮影しつつ眺めつつでは確信が持てなかった。乱視がなければ見えた気もする。
しかし画像では、はっきりと分解できた。間違いなく編隊飛行している。

CalSKYで事前確認したときには、両衛星は7秒のズレがあった。でも実際にはタンデム。撮影後にもう一度確認すると、同時刻に修正されていた。
その後何度か予報を見たが、しばらく先の予報では1分差なんてこともあった。高度も微妙に違う。

絶妙な間隔を保った飛行であり、軌道修正と軌道要素の更新とのタイミングで、大きな誤差が出ていたのかもしれない。




CalSKY予報

SatelliteTracker予測
さてさて、拡大すれば分解できることはわかった。
2018年1月27日。せっかくなので、先日こしらえたデジファミスコでも撮ってみた。

カメラを112mm相当にすると、デジファミスコの合成fは1200mm相当になる。ただしこれはスチル撮影での話で、動画では1400mm弱になる。
この長さで動く衛星を追うのはつらい。予報によれば、うしかい座の明るい星の近傍でフレアが起きるらしい。目印があれば、待ち構えて撮ることもできる。

EX-10の動画性能はかなり残念なのだが、フレアを起こしたタンデムXらであれば十分撮れるはず。
とりあえず、プレミアムオートではピントまで自動になってしまうので、プログラムオートでピントを合わせておく。
シャッタースピードをなるべく速くしたいので、絞り開放、ISO12800などにしておく……が、これは意味は無かったと思われる。
衛星が流れて写っており、光跡の長さから、1/50s程度の露出になっているよう。

しかし、強制的に手ぶれ補正がかかるのは何とかならないか。素子のホットスポットまで動くので、ただただひたすらに迷惑。


2018/1/27 テラサーX&タンデムXをデジファミスコで撮る

衛星は予定通りフレアを起こし、映像に撮ることもできた。カメラ液晶でリアルタイムに通過も確認できた。
映像編集はいつものAviUtl、フォントはいつものあずきフォント
表示時刻については、電波時計映像を撮り込んでおき、それに合わせた。「電波時計の精度は0.1秒強遅れ」についても考慮済みだが、精度は目安程度。

εBooと34Booは40'強39'の離角がある。星の位置はSatelliteTrackerの星空モードで、星をクリックすると得られる。
そこから、画角は1.779°1.72°、タンデム衛星らの離角は、206.4"202.5"(3'半弱)と計算できる。月の視直径の1/10なので、肉眼での分離判別も可能。

衛星までの距離を515kmとすると、衛星間距離は515.3m506mと計算できる
Wikipediaの内容とも合っており、こんなものだろう。SatelliteTrackerでは10.96kmなどとあるが、軌道要素からの計算なので、元のデータが正確でなければどうしようもない。

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