エビガライチゴが開花した。赤く長い毛で覆われているのが目を惹く。
2005年7月に天竜スーパー林道で吸枝を採取、挿し木にした。
いまさらだが、雌雄の別もなく、特に遺伝的な希少性もない場合には、実生にすべきだと思う。キイチゴの挿し木は歩留まりがさほど良くなく、また1000m級から低地へ移動させられれば、環境変動についていくのも大変。実生なら、初めから根があり、生まれ育ちが低地であることから、改めて環境に「慣れる」必要もなく、また採られる側の負担もより少なくできる。
エビガライチゴは、陽光の高地に生えることから、日光はとても好むはずなのだが、暑さはやや苦手のよう。8号菊鉢に植えてからも、春先は元気に吸枝を伸ばすのだが息切れし、結局スペースを持て余すような緩慢な成長でいる。
今年ようやく、一つだけ花を着けた。
全身がビロード様の毛で覆われ、萼の外側までびっしり。花弁は白。それ以外はナワシロイチゴに似る。
開花しても花弁は開かず、受粉が済むと萼が閉じる。やや整然さの欠けた蕾様の中で果実を成長させ、完熟直前に再び開き、ルビー色に完熟する。
自生地では房状に大量に生り、味も悪くないのでオススメの一つ。
5月に入ると、園芸種を含めていっせいに咲きだす。ボイセンベリーと思しき株も咲いた。
これは浜松市で唯一というスリランカ料理店、コロンボ&ファリーヌで、フェンスに絡ませて生垣にしてあったもの。'05夏、ダールカレーを食べついでに一枝いただいてきて挿してみた。
現在は改装移転したようで、オリエンタルカフェ&バー コロンボとなっている。親株は既に亡い。
結果枝の葉はこんな感じ。
側葉も先を向き加減で、ちょっと特徴がある。
吸枝(サッカー)では、例によって変化が大きくなる。
基本は3出羽状複葉だが、まず頂葉の両側が割れる。これが進むと、5出の羽状複葉になる。さらには3出において側葉だった小葉の外側(葉の基部側)が割れる。が、これが進んでも7出羽状にはならず、5出羽状の最基部側の小葉が2枚になった形になる。
棘はなく、毛も少なく、つるっとしている。半蔓性。
ナワシロイチゴが開花した。これは庭先の土手に自生したもの。
フラッシュのせいもあるが萼は毛深い。ピンクの花をつけるが花弁は開かない。強制的に自家受粉するためかと思いきや、結実する量は少ないことも多く、一つの花にたった2粒3粒だけ、というのも珍しくない。
がっつり確実に花粉を運んでくれる、これをこじ開けられるような屈強な虫(ミツバチなど)のみ呼び込むためだろうか。ちなみに蜜は、中央にある雌蕊の周り、輪状に生えた雄蕊の内側の花托上にある。
葉は3出複葉。今年の吸枝(サッカー)では5小葉のものも見られる。芽や葉裏は毛で覆われ白い。棘は多く、蔓性。他の植物に寄りかかったり地を這ったりして伸び、地面に着いた部分からは根を出す。
似た雰囲気のものにエビガライチゴがある。
ラズベリー(インディアンサマー)が咲いた。
一昨春にジャンボエンチョーで¥398-で購入したもの。「赤実ラズベリー」「黄実ラズベリー」とだけあったが、後日メールにて問い合わせたところ、赤実はインディアンサマー、黄実はファールゴールドとの回答を得た。
購入後、うちでの定番8号菊鉢(¥150-@カインズホーム)に植え替え。早速咲き結実したのだが、どうも調子が悪い。
これは'06年8月のファールゴールド。この後さらに伸び、秋果も生るなどしたが、地際から変に枯れ上がり、明らかに葉色も悪く、健常には見えない。
虫害なら溺死させようと浸漬しているところだが、効果は見られず。
地際の様子。表皮は裂けてめくれている。
この年はなんとか冬を越せたが、'07-'08は冬芽を残すことができなかった。
翌'07年7月には、ファールゴールドの吸枝(サッカー)を一部掘り起こしてみた。なにやら怪しげなイボイボが多数……。
ファールゴールドだけだったこの症状、最近はインディアンサマーにも多少見られるようになった。
ウイルスなどに罹患したのか、単に熱さに弱いだけなのか、今もって判断付かず。幸い、実生が僅かながら得られたのでそれを隔離育成し、また親株は夏場遮光するなどして様子を見るつもり。
冬芽を残せなかったファールゴールドにも、吸枝は出てきた。左がインディアンサマー、右がファールゴールド。
姿形や風味などは似ているので、単に赤色色素が欠落しているか否か、だけの違いなのかもしれない。
4月1日に冬季通行止めが解除されたので、ガソリンの安いうちにスーパー林道へ行ってきた。
秋葉山上社の裏あたりでは、水路がおたまじゃくしと抜け殻のゼリー質で、みっちり埋まっていた。
平地では4月頭に咲くモミジイチゴも、まだまだ咲いている。
近場では冬芽がほころんですぐ咲くためか、葉は束生してその場で花を着ける。このように間延びした小枝の先に咲くことはない。掲示板に貼られた写真などでは見たことがあるが、聞けばやはり雪の降る地方のようだ。
鉢植えにしているマタタビは、葉腋から蕾が出始めている。
こちらはまだ冬芽が芽吹いたばかり。ちなみに雌株。
種にもよるのだろうが、秋葉山の裏のあたりでは散ったばかり、天竜の森駐車場や山住神社では桜が満開。
トチノキもそろそろと出始めたところ。
エビガライチゴやタラノキも出たばかりのよう。
季節のズレは、秋葉山など南部は半月前後、水窪へ入った奥のほうではひと月前後、遅れている感じか。
崩落現場に標柱が建った。これは小さいほうの現場のもの。災害の原因や大きさが書いてある。8mとある。
メインの方の標柱。
山中では通常の距離感がなくなるが、86mも崩壊していた。
右手前から左上へ道があった。崩れた当初は完全に崖で、徒歩での通行も不可能だったが、埋め立てるなどして仮道が作られており、重機や徒歩でなら通れそうだ。
コンクリートで大きく凵形に組んである。土石流はここで流し、橋でも掛けるのだろうか。このペースだと、今年中にはなんとかなるかも。
手前左への法面には、数株フジアザミが残っている。特別希少というわけではないが、完成時には残っているだろうか。
シリアルポートに接続するPICライタは、電源もポートから取る。またポートの電流制限機能を期待した作りにもなっている。そこで、シリアルポートの電流/電圧特性の実力値を調べてみた。
こちらに、PCや各種変換ケーブルでの実測結果とその考察がまとめられている。そこのグラフを拝借し、当方で使用しているDELL Dimension8200で調べた結果を重ねてみた。
TxDラインとGNDとの間に何種類かの抵抗を咬ませて、DMMで電圧を計測。これと抵抗値から電流を求める。TxDは'H'と'L'時の両方で計測し、負の値は正に直してグラフにプロットする。
使用した抵抗は、実測で99.9Ω、218Ω、466Ω、985Ω、2.15kΩ、4.61kΩ、9.95kΩ、47.2kΩの8種類のカーボン。
やや非力ながら、おおむね「一般的なデスクトップPC」相当であることが判った。
コジキイチゴが咲いた。
乞食と呼ばれながらも花は可憐。冬芽から小枝を伸ばし、葉を展開し、その先に複数の花を着ける。
雌蕊が楕円体なので、中央から飛び出して見える。
画像は2005年6月のもの。
実は袋状になっている。この形状から、フクロイチゴとも呼ばれる。また「コジキ」は、乞食ではなく甑(蒸し器)の形に似るところから来ているとも言われる。
中は空洞だが全体としては大振り。カジイチゴの粒をやや小ぶりにして数を増やして膨らませた、そんなイメージ。味は悪くない。
葉は羽状複葉で、3小葉のものから4対の9小葉のものまである。
周囲に寄りかかって成長するので、反り返った鋭い棘が多い。寄りかかるものがないと、自重で垂れ下がり、地を這う。緑の幹肌には赤い毛が密生する。
ちなみに咲いているのはクサイチゴ。
赤い毛は、新梢や吸枝(サッカー)では、真っ赤に見えるほどに密生している。
吸枝は、春先に地際から1本ないし2本出る。キイチゴの多くのように、離れた場所に何本も出すことはない。
また、3~4年で吸枝が出なくなり、株は枯れるようだ。
実生の2株のうち、鉢植えにした方は満3年経った夏に枯れた。満4年になる地植えの方には現在出ていないため、この夏には枯れると思われる。自生地でも、2度ほど生った株は出すのをやめて枯れた。
クマイチゴが咲いた。
花は正面から見ると萼が目立つ。花弁が小ぶりなため、その隙間から大きな萼が見えてしまう。自生地ではよくクマバチが集っている。
野生では、人の背丈を越えるほどに伸び、大人の親指ほどにもなる太い幹に黒い斑模様、たくさんの赤黒く反り返った大きな棘、毛深い葉、クマの付く呼び名、でっかく丸く黒く毛深いクマバチの御用達の花と、極悪な雰囲気を醸しだす。ニガイチゴを毛むくじゃらにして5倍凶悪にした、そんなイメージ。林業には厄介な雑草という。
そんなクマイチゴも、8号鉢に植えてしまえば、1mに遠く及ばない小ぢんまりとした姿にまとまる。
こんな凶悪なクマイチゴだが、果実は一風変わった風体でいて美味。
尖っていて毛が生えているようで、口当たりが気になりそうだが、普通に美味しく食べられる。
画像は2005年6月。天竜スーパー林道にて。