コジキイチゴ(R. sumatranus)を母に、カジイチゴ(R. trifidus)を掛けたもの。2008年6月に播種、ひと月後には発芽、3年弱で開花にこぎつけた。逆の掛け合わせのカジコジキの方が、種子自体も大きく(カジイチゴと同等)、当初は勢いがよかった。が、いまでは完全に逆転し、草丈は倍ほども違う。ただカジコジキは、一鉢が枯死するほどのコガネ子の被害に遭っており、種の特性かどうかは一概には言えない。花もまだ着いていない。
見た目は、ヒメカジイチゴ(R. × medius)やカジモミジ(R. trifidus × R.palmatus ※※)などに似ていて、皺がある楕円形の花弁。雄蕊も前へ倣え状態。
カジイチゴの雌蕊はほぼ球形。コジキイチゴは明らかに高さが勝り、ラグビーボールが立っているような形。コジキカジは、幅と高さが同等か高さがやや勝る程度で、コジキイチゴの影響はあまり感じられない。
カジイチゴのと雑種は、トヨラクサイチゴ(R. × toyorensis)とヒメカジイチゴで結実を見ている。この2種はいずれも赤実で、片親のクサイチゴとニガイチゴの色を受け継いでいる模様。初開花のカジモミジ、コジキカジは、いずれも両親は黄実のみ。果たして結実はあるのか、色はどうか。
他のキイチゴも続々開花している。
ここ2~3日の間にクマイチゴが開花。
花弁が小さく、正面から見ると萼が目立つ。棘が鋭い。
トヨラクサイチゴF2(トヨラクサイチゴの子)は7日に開花。その後の様子。
トヨラクサイチゴは、大きな花を大量に咲かせるものの実の入りが悪く、種子はごくわずかにしか採れない。そんな中から生えた数株。特徴はトヨラクサイチゴと同等。花も大振りで見栄えがする。カジイチゴより大きく、栄養の良いクサイチゴといい勝負。
現在ひとつ若実がついており、かなりまともな結実状態。トヨラの自生株でも、一度だけ真っ赤な実が生っているのを見たことがある。たまたまなのか、F2の特徴なのか。
13日にはヒメカジイチゴF2も開花。
数株あるが、どれも多かれ少なかれ花弁に裂が入っている。サクラの花弁の様。
裂の大きい株が最初に咲いたために気になっていたが、ニガイチゴもヒメカジイチゴも、多少はこの特徴を持っており、特段に注視すべきものではなさそう。
いずれの株も、全体としてはニガイチゴそのもの。遺伝的に、ニガイチゴの分だけ別れて生き残るのだろうか。
ヒメバライチゴの大量開花。
トヨラクサイチゴあたりも、かなり大量の花を着けるが、こちらはそれを上回る。
花の大きさ、草丈は一歩譲るものの、全体の迫力は相当なもの。最盛期には、スターマインのクライマックスを見ているかのよう。
学名出典:
無印……YList
※……Wikipedia キイチゴ属
※※……文献無し
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