HOYAに買収されていたペンタックス(PENTAX)。そのうちの、デジカメなどを手がける「イメージング・システム事業」が、リコー(RICOH)に売却されることになった。
当該部門を新会社として切り出し、リコーが100%子会社にする。買収は10月。今後「ペンタックス」ブランドは、デジカメなどではリコーが、内視鏡など残りの部門ではHOYAが使うことになるという。
リコーのデジカメを使い、天文にも興味を持つ身としては、今後を見守りたい出来事。
ちなみに、天文関連もイメージング・システム事業に含まれている。望遠鏡/赤道儀は販売終了、大型機のアフターはSHOWAに移されたが、双眼鏡やアイピースなどは現行商品のよう。カメラにアストロトレーサー(簡易星野追尾機能)を付けるなど、まだまだこの分野に居残る気はありそう。挨拶代わりに、天ガに広告でも出してもらえると、また賑やかになるのだが。
各所の情報を総合すると、以下のようなところか。
フィルムカメラ老舗であり大手のペンタックスは、デジカメの波に乗り遅れていた。一方HOYAは、光学素材などから機器へと手を広げ、さらなる展望のためにペンタックスの医療機器部門に目をつけた。さまざまな手の組み方を考えたが、ペンタックス側のカメラへの執心などから進まず、結局は敵対TOBの形になり、HOYAに吸収される形になった。
この頃から既にお荷物であったデジカメ部門が、ようやく売れた……とは言わないだろうが、世の中はそう見ていて、発表により、HOYAは+6%、リコーは-4%と株価は反応している。
リコーは、コンパクトデジカメでは1cmマクロなど特色を出していた。フィルム上がりの老舗ペンタックスは、一眼レフなどカメラ然としたカメラでのブランド力、技術力を持っている。同じデジカメの土俵でもぶつかるところが少なく、相乗効果が期待できるかもしれない。またペンタックスの販路を利用し、プリンタ等で、リコーのコンシューマ向け販売を強化する狙いもありそう。
ただ、一眼レフもミラーレス化するなどコンパクトに近づき、技術的にも価格的にも、垣根がどんどん低くなるように見える。一人勝ちのキヤノン、ミノルタを飲み込んだソニー、大手家電メーカ、有力カメラメーカらがしのぎを削る厳しい業界。シェアは2010年の台数ベースで、両者あわせても6%あまり。よほどのシナジー効果を出さないと、単なる弱者連合で終わってしまいそう。
情報ソースなど:
日経新聞7/1付朝刊9面
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PENTAX イメージング・システム事業の譲渡に関するお知らせ(PDFファイル)
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