since 2007.8 by K-ichi

 

酷暑が終わったと思ったら、振り返ることなく冬へ向かっている感がある。
変化に乏しいので2ヶ月まとめ。それでも乏しい。
撮影は、特に断りがなければ10/31。

エビガライチゴ(Rubus phoenicolasius

エビガライチゴ エビガライチゴ冬芽 剪定したところからまた伸びたので、さらに剪定した。


カジイチゴ(R. trifidus

カジイチゴ カジイチゴ冬芽 カジイチゴは、冬芽になると思いきや葉を展開してしまったりして、季節感というか「けじめ」がないというか、相変わらずな感じ。この小さい芽は、さすがに冬越し用と思われる。


クサイチゴ(R. hirsutus

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クマイチゴ(R. crataegifolius

クマイチゴ クマイチゴ冬芽 丸い冬芽。


コジキイチゴ(R. sumatranus

コジキイチゴ コジキイチゴ冬芽 主人であるバラを押しのけつつあるコジキイチゴ。地植えと比べると貧弱。肥料は多少与えているが、8号鉢による根域制限は厳しそう。カジイチゴなど大型になる種は、この程度の鉢では難しい。


ナワシロイチゴ(R. parvifolius

ナワシロイチゴ ナワシロイチゴ冬芽 毛深い。


ニガイチゴ(R. microphyllus

ニガイチゴ ニガイチゴ冬芽 ちょっと無残な姿のニガイチゴ。紅葉が始まっている。
典型的な白い幹肌に真っ赤な冬芽。


バライチゴ(R. illecebrosus

バライチゴ バライチゴ冬芽?1 バライチゴ冬芽?2 昨年はコガネ子にやられたようで枯れ野原だったが、今年も似たような状況。バラ他にも被害が出たため、オルトランDXを散布してある。バラは復活しているので、効いていることは間違いないが……。

基本的に草本に近い種なのだろうか。自生は小さな苗を数箇所で見たきり。一応この鉢は、咲いて生ったことから、成木であるとは思う。
いかにも冬芽、というものは、ほとんど見られない。


ヒメバライチゴ(R. minusculus

ヒメバライチゴ ヒメバライチゴ冬芽 バライチゴに対してぜんぜんヒメでないヒメバライチゴ。モミジイチゴなどに比べれば小型だが、しっかりしている。
冬芽は黄緑色で楕円形。一風変わっている。


フユイチゴ(R. buergeri

フユイチゴ フユイチゴの実 フユイチゴ冬芽 フユイチゴ托葉 下草のフユイチゴがシーズンイン。10月に入ると、ぽつりぽつりと熟し始める。

5日ごろに第1果、徐々に進んで11月に入る頃には盛りになった。生っている期間は長く、年越しの雪の中に赤い実を見ることもできる。
開花後、いったん萼を閉じ、熟す間際に再び開く。

托葉は、手のような面白い形をしている。
今頃はほとんどなくなっているが、若い枝には残ることがある。


モミジイチゴ(R. palmatus

モミジイチゴ モミジイチゴ冬芽 キレハ株。肥培のおかげか、ややふくよかな雰囲気になってきた。
冬芽は真っ赤で、プリっと太くツンと尖る。いい感じに育っている。


雑種:カジコジキ(R. trifidus × R.sumatranus ※※)

カジコジキ カジコジキ冬芽 カジコジキは、勢いのあるものないもの様々。右下の鉢は、コガネ子被害に遭い全滅。気付いたときには、軽く引っ張るとすっぽり抜ける有様で、薬剤散布も時すでに遅し。


雑種:コジキカジ(R. sumatranus × R.trifidus ※※)

コジキカジ コジキカジ冬芽 コジキカジは全体に元気いっぱい。


雑種:カジモミジ(R. trifidus × R.palmatus ※※)

カジモミジ小型 カジモミジ小型の冬芽 カジモミジ大型 カジモミジ大型の冬芽1 カジモミジ大型の冬芽2 カジモミジの小型の方はまだ青々としているが、大型の方(トゲナシイチゴ)は紅葉が始まった。
小型の方は、ぷっくりと綺麗な赤い冬芽を作っている。昨年同様だが、はたして蕾は入っているのか。
大型の方は、副芽を持つものもある。托葉が、幅広、幅狭の両方ある。雑種であるだけに、カジよりの幅広、モミジよりの幅狭、というところか。


雑種:トヨラクサイチゴ(R. × toyorensis

トヨラクサイチゴ トヨラクサイチゴ冬芽 順調。


雑種:ヒメカジイチゴ(R. × medius

ヒメカジイチゴ ヒメカジイチゴ冬芽 ヒメカジイチゴも紅葉し始めた。冬芽も順調。


ブラックベリー・エバーグリーン(R. laciniatus ※)

エバーグリーン エバーグリーン冬芽 初年度の爆発的勢いが嘘のようにおとなしい。剪定もバッサリやった。しかし棘も冬芽もしっかり。


ブラックベリー・ソーンフリー(R. fruticosus ※)

ソーンフリー ソーンフリー冬芽 ここから小枝が出ることを想定して、「行灯仕立ての骨組み」仕立てにしてみた。今年枝はかなりよく伸びたので、思い切り良くカットしてある。


ボイセンベリー(R. ursinus × R.idaeus ※)

ボイセンベリー ボイセンベリー冬芽 ボイセンベリーは、脱走して下草になりそうな勢い。剪定の際、一部の先端部が草むらの中で根付いているような手ごたえだった。切ったまま放置しておいたが、はたして……。


ラズベリー・インディアンサマー(R. idaeus ※)

インディアンサマー若実 インディアンサマー秋果 インディアンサマー冬芽 インディアンサマー病気? インディアンサマーは秋果が生った。蕾が枯れたのを確認して諦めていたが、10/6に若実を発見。撮影も当日。花は見逃した。
10月末にはここまで熟した。冬芽もできている。ただ、枯れた蕾やその付近の節の詰まり具合が、普通でない気もする。


ラズベリー・ファールゴールド(R. idaeus ※)

ファールゴールド ファールゴールド冬芽 ファールゴールド病気?1 ファールゴールド病気?2 ファールゴールドは秋果無し。枯れこんだ頂芽が生きていれば、できたかもしれない。冬芽もできたが、きれいなものは数が少ない。
今年も中下部を中心に、褐変ひび割れが発生した。頂芽が枯れたのも関係あるのかもしれない。褐変したところの芽も、たいていは生きてはいる。病気なのか素性なのか環境なのか。いまだに原因は判明せず。



学名出典:

無印……YList
※……Wikipedia キイチゴ属
※※……文献無し

 

モミジイチゴとマツバラン マツバラン先端部 マツバラン中間部 モミジイチゴの鉢に生えてきた謎の植物。スギナのように枝だけで、まず間違いなくシダ植物で……と画像検索して探し当てたサイトから、マツバランであることが判った。

丈は10cm足らず。房になったものと、モミジイチゴに寄り添ったほとんど棒状のものとの2本。地下茎があるそうなので、おそらく同一株。葉は、棘のような托葉のような小さな突起はあるが、基本的に茎のみで枝分かれする。地下茎とこれと、ともかく茎しかないシダ植物らしい。
黄緑色で見ていて和む。鉢物として育てることもあるとか。

あちこちの鉢に分布を広げつつあるハナヤスリといいコレといい、鉢ものにシダが生えるとは……ずぼらがバレる。

 

本日付日経新聞朝刊11面に、「水素、人工光合成で生産」という記事があった。

東大の堂免一成氏、前田和彦氏らと三菱化学が開発した。「光触媒である酸化タングステン(WO3)と酸窒化タンタル(TaON)を組み込んだ化合物」を使うという。これを水に入れ、深青色の420nmの光を当てると、6.3%の効率で酸素(O2)と水素(H2)とに分解する。
現在の水素生産では、加熱や反応などの段階で二酸化炭素(CO2)を発生しているが、水に混ぜて光を当てるだけのこの方法であれば一切発生しない。研究グループは、反応する波長の拡大、効率の向上などを行い、5年後の実用化を目指す、という。

一般に光触媒といえば二酸化チタン(TiO2)。350nmあたりの紫外線を当てることで起こる、有害物質の分解や親水作用が利用されている。水を分解することも可能で、助触媒を加えて実現されてはいるものの、効率が悪く実用にはいたってないという。また、太陽光の数%しかない紫外線を必要とすることも不利な点。
今回の開発品は、太陽光の半分を占める可視光で有意な効率を実現できたことに意味がありそう。


【 プレスリリースなど 】

産総研:セシウムで表面処理した高性能光触媒を開発 2010-3-11
東大・北大の研究チームが、可視光の照射で水を分解できる酸窒化タンタル光電極を開発
2009-7-14日刊工業新聞記事に関する記述。TaONや堂免氏が出てくる。セシウムで表面処理……に出てくる電気分解の話か?
産総研:簡便な方法で酸化タングステンナノチューブの合成に成功 2008-8-4
WO3のさらなる高効率化。
産総研:室内照明で働く可視光応答性酸化タングステン光触媒の開発 2008-7-9
産総研:可視光で水を水素と酸素に分解 2001-12-6
世界初、可視光で水を水素と酸素に一段で分解できる光触媒。
物材研:高活性光触媒材料(リン酸銀:Ag3PO4)を発見 2010-6-7
水素は発生できてない。
DOMEN-KUBOTA LAB.
堂免氏らの研究室。
水素製造用光触媒チップPDF
つまるところ、可視光→太陽電池→電気分解?

【 勉強になるサイト 】

光触媒の基礎知識
サトシンの光触媒のページ
タンタルの酸化物・窒化物
タンタル加工屋さんの呟き。

 

浜松基地で航空祭(エアフェスタ浜松)が行われた。昨年は米・サンダーバーズが飛来し、金曜練習・土曜開催という変則スケジュールだったが、今年は従来通りの日曜開催。ブルーインパルスも飛んだ。昨年は雨に祟られたが、今年はとりあえず降らないでいてくれた。
その北方にある小高い三岳みたけ山(466.8)から眺めてみた。

三嶽神社への道 三岳山へは、R257を北上し、県内最後のセブンイレブンがある井伊谷の交差点を右折。道なりに山を登っていくと、集落を過ぎ道が細くなり、やがて左手に三嶽神社への入口がある。右手植林の隙間からは採石跡と立須が見える。
登山道は神社から始まる。

風車1号機のナセル ちなみに、もう少し登って右折すると、浜松風力発電所の1号機に着く。1年余り回り続け、なんとなくナセルが薄汚れて見える。

三嶽神社 三嶽神社は祭だったよう。幟が立ち、帰る頃にはそこそこ人が集まってきていた。

御岳山登山道 三岳山は、最近になってかなり手が入り、道が拡幅された。中腹までは車でいけそうな道も造られている。
険しいところでこの程度。急坂もあるにはあるが、神社からは標高差100m余。「大きな丘」のようなもの。

三岳山山頂 山頂はちょっとした広場になっている。山城の説明や三角点、記念碑、風景説明板などがある。おおむね南西から北東に眺望がある。神社からは15分ほど。

着いたときには、浜北の自然観察会(?)とかいう子連れの団体が昼食中だった。滝沢展望台から歩いてきたと言う。ブルーインパルスを気にする人もいたが、記念撮影をして下山していった。

結実し始めたネナシカズラ 山頂には、ネジキ(?)に絡んだネナシカズラがあった。平地ではまだ咲いているが、ここではすでに結実している。
三岳山山頂パノラマ
山頂からのパノラマ。

右手に浜名湖、中央右より、水平線よりちょこんと飛び出しているのがアクトタワー、その間に自衛隊浜松基地。左に目をやると天竜川、エコパなども見えたが写真では判らない。晴れていれば、太平洋に浮かぶ艦船も見える。風車の脇にあるのは第二東名。その右あたりが立須。左端の開けたあたりが来た道で、晴れていれば富士山も見えると思われる。

上向き空中開花&スタークロス 浜松基地のプログラムでは13時からになっていたはずだが、結局飛び始めたのは13:30。白のスモークしか吐かないので、曇天が背景ではちょっと辛い。垂直系のいくつかが判別できた程度。演目は判らないが、浜名湖上からスモークを吐きながら、地面すれすれに飛んだりもしていた。毎年、ハートを射抜く「バーティカルキューピッド」はやっていたはずだが、やらなかったのか見えなかっただけなのか、今回は観られなかった。

画像は、上向き空中開花+スタークロス。頑張って画像処理したが、スモークを浮き上がらせるのは難しい。
演目については、「The Blue Impulse - 4th wing 11sq」サイトが非常に詳しい。

風車と第二東名と立須 立須に人影 立須の人影はなくなった
実は、三岳に登ろうか立須にしようか迷っていた。しばらく登ってないので三岳にしたが、同じ目的だと考えることは似てくるようだ。
風車の右に第二東名、さらに右の岩が立須。強拡大して見ると、黄色っぽい服の人影が見える。そして演技終了後には消えていた。

 

およそ3年前、サンポールで金属メッキの実験をした。真鍮片に銅、および銅箔(プリント基板)に金を、サンポール(9.5%塩酸)内で電解メッキをする。
室内常温でほったらかしにしてあったそれを、あらためて見てみた。

真鍮片の銅メッキ 左が先日カタバミで再生した銅貨(ギザ10)で、右が銅メッキをした真鍮片。真鍮片の半分は、サンポールで磨いてある。
なお、諸事情により、色は判るように一部マスクをかけてある。

銅メッキは、予想通りにすぐに反応が現れ、きれいにメッキができた。現状は、ところどころぽつぽつと錆が出て、全体も銅貨に似たくすみ方。多少の金属光沢は維持している。
両者を比べると、磨いたところもそうでないところも、色合いがメッキの方が赤っぽい。カタバミ磨きは4ヶ月前なので、こちらもサンポールで磨きなおしてみたが、やはりメッキの方が赤い。下地のせいだろうか。

メッキはゆっくりやった方が綺麗に仕上がるという。いずれ、ゆっくりじっくり厚いメッキを試してみたい。


銅箔の金メッキ1 金メッキは一筋縄ではいかなかった。電源をつないでもしばらくは反応なし。泡が出始めても金メッキらしい姿はなし。電極をほとんどくっつけて、できた真っ黒なそれを磨いても、なんとなく金色っぽいだけ。カードエッジコネクタに挿したら元の木阿弥。
やっきりこいたので窓際に放置しておいた。真夏以外は直射が差し、時に雨に濡れ、埃をかぶり、銅箔はまっ黒。

左の茶色っぽい長片は、撮影前にひっくり返したもの。雰囲気に暴露されてなかっただけ、銅色が残る。右の短い2枚が、金メッキしたつもりのプリント基板。端の方がなんとなく黄色い。

銅箔の金メッキ2 光線の具合を加減すると金属光沢が判る。埃を拭き取り、サンポールで磨いてみると……金メッキが確認できた。

埃をかぶった画像では、右から2枚目も「黄色」が確認できる。磨いたこの画像ではよく判らないが、肉眼ではこちらもうっすら金メッキされた様子が確認できる。
カードエッジコネクタに挿して、メッキが取れてしまったように見えたのは、おそらくコネクタ側の汚れが付いたのを誤認したと思われる。

銅箔の金メッキ3

神々しい。


金サンポール溶液
金サンポール溶液沈殿物
メッキに使った溶液も観察してみた。

当初は、黄色系を思わせる沈殿があり、攪拌すると溶けて(拡散して?)緑色が薄くなった。しばらくすると元に戻った。
現在の溶液は、ちょうどその薄い緑。見た目は色つきの透明だが、チンダル現象が見られることから、年月を経ると比重の近い「何か」が拡散して安定してしまうよう。ちなみに、銅メッキに使った溶液やサンポールそのものは、濃い緑色のままで変化はない。したがって、金の溶解に関係する「何か」ではある。
沈殿物もわずかに存在し色は薄茶色。攪拌しても、溶ける様子がないばかりか舞い上がりもせず、底にしっかり溜まったまま。かなり比重が大きいようで、金もしくは相当する比重を持つ化合物の粒子ではないかと思う。
pHは相変わらず高い酸性を示す。試験紙しか持ってないので、塩素の影響で正確には分からない。


端子を一様にきれいに金メッキする、というには程遠いが、塩酸内で電極を至近距離において電流を流せば、金は溶け金メッキができることは判った。

銅地に直に金メッキをすると、拡散してメッキでなくなってしまう、と聞いたことがある。それを防ぐには、下地にニッケルメッキを施す。2枚目はその影響もあるのかもしれない。ただ、金メッキに十分な厚さがあれば、ぞんざいに扱っても不具合もなく維持できそう。
ちなみにニッケルメッキは、硫酸ニッケル水溶液で電解メッキができるらしい。かつてサンハヤトから溶液(製品安全データシートPDF)やキットが販売されていた。

 

左ハツタケ、右アカハツ 今年は5日ごろに生えてきたハツタケとアカハツ。野に置けば痛んでしまうので、とりあえず採るだけ採っておいた。
猛暑だなんだ言っても、結局昨年より5日ほど早かったチチアワタケもほぼ昨年通り先月末に出たが、処分に困るので採るのはやめた。1週間ほどで土に還った模様。

傘が濃い目の色で環紋がはっきりし、ヒダが紫色のがハツタケ。環紋が目立たずオレンジ系なのがアカハツ。どちらも傷口は緑青色に変わる。
食味は変わらないので、ハツタケもアカハツも一緒くたに扱う。



ハツタケを茹でる とりあえず吸い物にしてみた。
水300ccにハツタケ標準大を3個。めんつゆの素小さじ2、卵1個。
ハツタケは細めに切り、数分茹でる。火が通り、湯に色が出てくる。めんつゆを入れて味を見、最後に溶き卵を入れて軽く箸で回して火を止める。三つ葉なりネギなり散らせば、それっぽくなる。

写真は茹でている最中。
環紋は消えるものの、ヒダの紫やオレンジは残る。歯ざわりはジャキジャキして脆い感じなので、細めに切って正解。めんつゆは鰹ダシが強く、干しシイタケで何とか戦えるレベル。ハツタケでは風味は負けてしまう。ハツタケを活かす目的としては失敗。


ハツタケご飯 そして今年もハツタケの炊き込み。
昨年は、醤油で色、香り、味が負けてしまったように感じたので、今年は調味料は塩に変更。また、味がより分かるように、副材料は一切やめた。
ちなみに塩分換算では、醤油6g(小さじ1)≒塩1g(小さじ1/5)らしい。なお容積重量の関係として、大さじ1=小さじ3、塩(小さじ1)≒水(小さじ1)=5g(5ml)、というのは基本。
レシピは以下のとおり。分量は、キノコが150gしかなかったので、それに合わせた。

材料:
米……1合半
ハツタケ類……150g
酒……大さじ1.5
塩……小さじ1

米を研ぎ、給水させておく。ハツタケは歯ざわりは楽しめないので、細かめにしゃくしゃくと刻んでしまう。ちなみにキノコ類は一般には洗わずに使うが、ハツタケは水を吸いにくいのでざぶざぶ洗っていい。酒と塩を米に合わせ、水量を調節したらキノコを投入。そのまま「炊き込みモード」で炊飯。
長時間の加熱のためか、柄などにわずかにオレンジ色が確認できる程度で、彩りは楽しめなかった。塩具合はちょうど良い。醤油は入れてないのに、やや黒ずんだ。お焦げもある。香りは程よいキノコ臭。

これがハツタケの香り、これがハツタケの味、という主張はないが、普通に美味しくいただけた。

 

パナソニックが、炭素基板上に窒化ガリウム(GaN)薄膜を作る基礎技術を開発した、という記事があった(10/4付日経新聞朝刊11面)。
青色LEDなどに使われるGaNは、現在はサファイア基板を使っている。せいぜい6インチ(15cm)までだが、この技術を使えば1m角の大判の製造も可能で、コストも1/10に下がるという。10数mm角での試作が成功しており、5年以内の実用化を目指す。

調べてみると、Tech-On! ※9/17付の記事 ※がそれのよう。
今までとの大きな違いは、基板にグラファイトを使うこと。これは「有機ポリマー焼結グラファイトシート」といい、樹脂フィルムを無酸素下3000℃で焼結したもの。厚さは25~100μm。特殊な「炭」であり、炭素原子が6角形に並んで平らな面状になり、それが積層した形になる。
基板の表面をプラズマで粗し、そこに10~20nm厚の窒化アルミニウム(AlN)層を生成、その上にGaN結晶膜を作った。

この技術、パナソニックの開発かというとそうでもなく、2008年2月には東大らのグループが発表 ※している。パナソニックは、プラズマ処理の追加とそれによる品質改善のメカニズムの解明が発見であるとしている。



ちなみにGaNの下地にAlNを使う、というのも新しい話ではなく、青色LED開発初期から使われた手法らしい。
青色LED開発者らに贈られた武田賞受賞内容PDF版)の解説が読みやすい。

一般的には、青色LEDは中村氏が発明したと言われるが、実用化、商品化したと言う方が正しいのかもしれない。多くの研究者が「できるはずなのにできなかった」理由を突き詰め、改善し、製品化に適した手法を開発していった功績は「発明」にも匹敵するが。そんな歴史が解りやすく書かれている。



ここではサポート役のAlN自体も発光素子になる。210nmという非常に短い波長の紫外線LEDを、NTT2006年に発表している。(ニュースリリース/Tech-On! 記事 ※/Google
空気中では200nmより短い波長は吸収されてしまうため、普通に扱えるもっとも短い波長が出せたことになる。光エネルギーは周波数に比例するので、波長が短いほど力技がこなせるようになる。ダイオキシンなど有害物質の分解、といった応用が見込まれるとのこと。

紫外線は、怪しすぎる水虫治療機やUVEP-ROMの消去などに、殺菌灯の254nmが使われている。UV-C(200~280nm)とも呼ばれ、AlN発光はこのグループになる。生物にも攻撃性が強く危険。宇宙からのこの光は、オゾン層によってシャットアウトされている。
日焼けを起こす紫外線は、UV-B(280~315nm)やUV-A(315~380nm)と呼ばれる。ケミカルランプブラックライトは、この範疇の352nmが使われている。


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